知っておくべき食中毒の症状と対処

消化器内科病棟や外来で働いている看護師は、食中毒に感染した患者と接する機会も多いだろう。
患者の症状と対処法の知識があるとないとでは、患者への対応・処置が変わってくるため、正しい知識を身に付けることが大切だ。
まず食中毒の主訴は、吐き気・嘔吐、下痢、腹痛になり、これらは医療関係者でなくてもよく知られている症状だろう。
主訴に対しての対処法は「抗菌薬の服用」と「脱水予防」の2つがある。
食中毒とは、胃や腸に菌や毒素により起こる病気のため、原因である菌の除菌が大切になる。また、下痢が起こっていることから、下痢止めを服用してしまう方もいるが、体内に菌が残ってしまう危険があるので、服用はおすすめできない。
さらに、嘔吐や下痢が原因で、体内の水と電解質が体外に排出してしまう危険もあるため、スポーツドリンクなど電解質入りの水分を摂取することをおすすめする。
食中毒は主訴だけでなく、様々な身体症状を引き起こす。
例えば、発熱・関節痛・筋肉痛など風邪に似た症状が出ることもあり、またひどくなると意識障害・嚥下困難・呼吸困難など生命にかかわる症状を引き起こすこともあるのだ。
そのため、最も重要になってくるのは「自己判断」や「放置」をせず、専門の医師に診てもらうことだ。
患者の中には、診療を受けなくても大丈夫だと思っている人もいる。
しかし、最悪の場合は命に関わるころもあるため、患者の気持ちを汲み取りながら、自己判断や放置により起こりうる危険性を正しく伝えることも大切になる。